ボストン日本人研究者交流会 (BJRF)

ボストン在住日本語話者による、知的交流コミュニティーです。

次回4月月例講演会のご案内

4月20日(土)開催の研究者交流会では講演会として青木智乃紳 氏、松村謙太朗 氏をお招きして交流会を開催いたします。

日時・スケジュール

16:20-16:30 挨拶・アナウンス
16:30-17:15 講演 1:青木智乃紳氏「先端的個別化医療の社会実装について~医療上の価値と社会的価値のバランスはどのように考えるべきか~」
17:15-17:30 Q&A
17:30-17:45 休憩
17:45-18:30 講演 2:松村謙太朗氏「誰のための「リーダーシップ」か?マーシャル・ガンツ教授による「Agency」理論の霞ヶ関での実用可能性の検討」
18:30-18:45 Q&A
19:00 ~ 懇親会


会場

講演会: MIT E52-164 (50 Memorial Drive, Cambridge, MA 02142)
懇親会: Royal East


参加申し込み

参加申込期限:2024年4月18日(木)21時
参加費:無料(講演会のみ), $35 (講演会+懇親会)*

*懇親会のみの参加はご遠慮ください。講演会への参加確認ができなかった場合、参加費の支払いの有無にかかわらず、懇親会への参加をお断りさせていただきます。なお、この場合、参加費の返金対応もできかねますことにご了承ください。
*参加費は懇親会会場予約の都合上、申込時のお支払いをお願いしております。ご協力の程よろしくお願い致します。期限までに参加費のお支払いを確認できない場合、申込フォームでの懇親会参加希望の有無にかかわらず、懇親会不参加として登録させていただきます。



参加申し込みフォームはこちら»



キャンセルについて

お申込み後にご都合により参加できなくなった場合は、事前になるべく早くメールでその旨をお知らせください。 また、懇親会にお申し込みいただいた方は、講演会3日前までにご連絡いただきますようお願い致します。それ以降のキャンセルにつきましては、会場予約の関係上、返金に応じられませんので、予めご了承ください。



講演者

青木智乃紳 氏
M.D./MPH
Fellow, System Design and Management, MIT

先端的個別化医療の社会実装について ~医療上の価値と社会的価値のバランスはどのように考えるべきか~

2023年12月、FDAは鎌状赤血球症患者を対象としたCRISPR技術を応用した治療薬、Casgevyを承認しました。当該治療薬は、顕著な有効性を持つものの、治療費用は数百万ドルと非常に高額です。このような医療技術の評価枠組みにはどのようなものがあるのでしょうか?また、「イノベーションの評価」とは何を意味するのでしょうか? 本講演では、このような高額な個別化医療技術の価値評価の枠組みとして、QALYとICERを用いた効果の定量化を紹介します。さらに、イノベーションの社会的評価と、日米の薬価際等の背景となる日米の医療制度の違い、これら課題に対して日米での取り組み等についても考察します。 こうした背景を基に、個別化医療の進展がもたらす希望と、それに伴う高額なコストが医療制度に与える影響について考察し、持続可能な医療制度とイノベーション促進の適切なバランスについて議論を深める予定です。 この講演が、自然科学の研究者には科学技術を政策として捉える際のフレームワークの気づきとなり、社会科学の研究者には社会科学的側面から科学技術的事項を取り扱う際の枠組みを考える契機となることを願っています。

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松村謙太朗 氏
外務省 ハーバード大学ケネディ行政大学院研修員
MPP candidate at Harvard Kennedy School
Trainee from the Ministry of Foreign AffairsJapan(MOFA)

誰のための「リーダーシップ」か?マーシャル・ガンツ教授による「Agency」理論の霞ヶ関での実用可能性の検討

HKSで数十年続く名物授業「Public Narrative」では、かつてオバマ大統領の選挙参謀として名を馳せた、コミュニティ・オーガーナイザーの祖:マーシャル・ガンツ教授が、人々を巻き込む力を持つスピーチを書き上げるワークショップや、過去のリーダーたちの社会活動におけるケーススタディを通して、リーダーシップが何なのかを学生たちと共に追求する。その中で彼が繰り返し言及した「Agency」、社会学用語で日本語訳は「行為主体性」と言うが、この概念は日本の一般社会ではほとんど触れられていない。そして彼の言うAgencyの意味は、社会学で一般的に言われるそれとも少し異なり、独自の解釈が含まれる:【ある人間が、様々な選択肢の中から、熟慮の上、主体的に一つの選択肢を選ぶことのできる、心のキャパシティ】。そして、その一人一人のAgencyを呼び覚ますことこそが、真のリーダーシップだと説くのだ。 こと、日本においては、ブラック企業による激務やパワーハラスメントが、労働者の精神を蝕んで久しい。特に国策に携わる霞ヶ関では、社会的プレッシャーもあり、その問題は日に日に増大している。優秀な人材は官僚を志望せず、よりwell-beingが充実した民間企業へと就職する。人が集まらないことでますます仕事は激化し、優秀な人材は霞ヶ関を離れる...この負のスパイラルは止まらない。 しかし、もしも中間管理職以上の官僚職員がこのAgency理論を理解して、異なる世代に属する部下や若手と接して仕事を行うことができたならば、彼らの職務に対する誇りを呼び覚ましながら、強固なチームワークで国策に臨むことができるのではないだろうか。今回は、2年間のHKSでの学びの総括の意味も込め、ガンツ先生の提唱するAgencyとLeadership理論が、霞ヶ関の環境において実用可能なものか、その道筋を検討する。

過去の講演

最近の過去の講演題名と講演概要は次のリンクより確認できます。

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