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2019

第177回講演会

日時: 2019年11月16日(土) 16:20-18:45
会場: MIT E25-111

「色彩科学の世界:Do you see what I see?」

浅野 雄太 氏

E Ink


概要

あなたは旅行中、きれいな花を見つけたのでカメラで撮って、友人に送信しました。ディスプレイに表示した花が現実の花と同じように見えるにはどうすればいいでしょうか。プリンターで印刷した花の写真とプロジェクターに映し出された花を同じように見せるにはどうすればいいでしょうか。友人が受け取った花の写真があなたの撮影した写真と違って見えるのはなぜでしょうか。そして、そもそもあなたが見ている色は他の人が見ている色と同じでしょうか。

色彩科学は、色がどのようにつくられて人間の視覚系がどう知覚するのかを科学する学問で、信号機の最適色からスマホの色再現性向上まで、様々な分野を支えてきました。イメージング、光学、材料工学、コンピューターグラフィクス、視覚科学、心理学、神経科学など異分野をまたぐ学際的な研究分野です。本講演ではみなさんが普段何気なく見ている色のディープな世界をご紹介します。

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「ビジネス法務の世界へようこそ 〜M&Aを中心に~」

金子 正紀 氏

西村あさひ法律事務所


概要 

みなさまは、「弁護士」と聞いてどのようなイメージをお持ちになりますでしょうか?金銭トラブル、相続、あるいは離婚問題を扱う弁護士でしょうか?実は、このように、みなさまの身の周りで起きうる法律問題を扱うのではなく、企業・団体における法律問題を主に扱う、いわゆるビジネス法務専門の弁護士も存在しております。

最近では、ビジネス法務専門の弁護士(の業務内容)は、「SUITS」等の人気ドラマやメディアによって、ある程度世間に認知されてきたのではないかと思いますが、一体何をしているのかよく分からないという方も依然として多いのではないかと思います。

ビジネス法務専門の弁護士は、様々な分野・場面で社会に貢献しているのですが、今回は、ビジネス法務について、私の専門であるM&A(企業買収)を中心に、なるべくわかりやすくご説明をさせていただき、少しでも関心を持っていただければと思っております。

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第176回講演会

日時: 2019年10月19日(土) 16:20-18:45
会場: MIT E25-111

「シロアリ腸内共生系〜現存する細胞共生進化モデル〜」

竹内 真理子 氏

東京工業大学


概要

シロアリと聞いて、“木材家屋の大害虫”と真っ先にイメージする人が大半ではないかと思います。ところがシロアリは、倒木などの枯死植物を分解し、地球の物質循環に大きく貢献する生態系には欠かせない存在です。更に近年では、その驚異的な木質分解能力に着目し、食糧と競合しない木質由来バイオ燃料開発への応用も期待されています。このシロアリによる木質分解や、栄養分に乏しい木材だけを食べるシロアリの生存を可能としているのは、実はシロアリ腸内に共生する数万個もの原生生物(単細胞真核生物)と1千万個にものぼる原核生物の働きによることが知られています。このシロアリ腸内共生系をのぞいてみると、そこでは原生生物の細胞内や細胞外に原核生物が共生する複雑な多重共生系が構築され、かつて祖先真核生物が原核生物をオルガネラ化した現象の初期段階を考察する材料としても有用であることが明らかになってきました。今回は、「そもそもシロアリとは?」から始め、複雑で巧妙なシロアリ腸内世界について、私自身の研究内容も含めてお話したいと思います。

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「高速鉄道を取り巻く情勢〜米国に新幹線が走るみらい〜」

高木 龍一 氏

MIT System Design and Management


概要 

安全・快適な大量高速輸送機関、新幹線。米国にもあればニューヨークやワシントンDCに簡単に行けるのにと思ったことはありませんか?世界的に鉄道は環境負荷の少ない効率的な輸送機関として再び注目を集めており、各国で高速鉄道の新規計画が構想されています。実は車社会である米国でも構想中の高速鉄道プロジェクトがあり、これまで新幹線技術を磨き上げ、超電導リニアといった新しい高速鉄道技術を開発してきた日本にとってはインフラ輸出の好機でもあります。しかしいかに新幹線の信頼性が高いシステムで実績があろうとも、政治の状況に左右され、多くのステークホルダーが存在する高速鉄道プロジェクトの実現は一筋縄にはいきません。本講演では、アメリカの鉄道に対する考え方や日本の鉄道事業者の海外展開に対する考え方、高速鉄道技術を紹介しつつ、皆さんと一緒に米国で新幹線が走るみらいを実現するための課題について考えたいと思います。

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第175回 基調講演会

日時: 2019年9月21日(土) 16:20-18:00
会場: MIT E51-115

「自己と非自己の間(はざま)」

河合 達郎 氏

Professor of Surgery, Harvard Medical School

A. Benedict Cosimi Chair in Transplant Surgery at Massachusetts General Hospital


概要

そもそも生物たるもの、自己と非自己を識別できなければ、この魑魅魍魎に満ちた現実世界を片時も生きていくことはできません。38億年前にこの地球で最初に生物が誕生して以来、生物はその生存をより確かなものとするために自己と非自己を認識するための複雑なシステムを築き上げてきました。しかしながら、そのシステムは案外に脆く、人類のような高等生物でも自己の体に侵入した非自己を排除しきれず感染症に陥ったり、あるいは自己を非自己と誤って認識して自己免疫疾患などを発症したりします。ガンにおいても、いわば自己から派生した非自己を個体が認識できないがためにその無秩序な増殖を許してしまう。しかし、そのシステムが不完全であるからこそ全く非自己である他人の臓器や細胞を移植する余地が生まれてくるのも事実です。現在はさらに他人の臓器を完全に自己のものであると思い込ませること(免疫寛容)も臨床において可能となっています。さらに完全に異なる生物の臓器を移植すること(異種移植)もクリスパーによる遺伝子操作で現実となりつつあります。

今回は、当会幹事からのご要望もあり、若手研究者のアメリカでのキャリア形成についても参考になるよう、移植研究を通した私の経験を話の中に織り交ぜながら、生物における自己と非自己の意味を問い、そしてその間で発展を遂げてきた移植外科の現状とその近未来をお話ししたいと思います。

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第174回 特別講演会

日時: 2019年6月8日(土) 14:00-16:00
会場: MIT E51-345

特別講演会「見えないものが見えた!〜史上初のブラックホール撮影の舞台裏〜」

「ブラックホールの画像ができるまで」

秋山 和徳 氏

MIT Haystack Observatory

Event Horizon Telescope


概要

ブラックホール、アインシュタインの一般相対性理論によって予言されたこの究極の天体の写真をもし撮ることができたら、本当に文字通りの「黒い穴」と見えるのでしょうか? これは天文学者に限らず、一般の人も思う素朴な疑問でした。一般相対性理論が発見され、そしてブラックホールの最初の理論解が導かれてから1世紀が経ちました。そしてついに人類は地球サイズの電波望遠鏡 Event Horizon Telescope (EHT)によって、近傍銀河M87の中心に潜む超巨大ブラックホールM87*の撮影に成功しました。本講演ではまずはじめにEHTについて紹介して、日本の国立天文台とここボストンのグループが大きく貢献したブラックホールの画像化のプロセスについて紹介します。

「時空構造の測定と今後の展望」

森山 小太郎 氏

MIT Haystack Observatory

Event Horizon Telescope


概要

Event Horizon Telescope (EHT)はブラックホールを世界で初めて視覚的に捉えることに成功しました。では、このブラックホールの画像は、我々にどのようなことを教えてくれるでしょうか。EHTでは、理論的な解析やスーパーコンピュータを用いたシミュレーションなどを駆使して、画像に描き出されたブラックホール近傍の状況を解明する試みが行われました。本講演では、得られたブラックホール画像から導きだされたブラックホール近傍の性質と時空構造の特徴について説明し、今後のEHTの観測によってさらに何が期待されるかを紹介します。


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第173回講演会

日時: 2019年5月18日(土) 16:20-18:45
会場: MIT E25-111

「バイオテック・エコシステムに必要な仕掛けとは?〜日米都市間の比較から〜」

加々美 綾乃 氏

System Design and Management, Massachusetts Institute of Technology


概要

ボストンとサンフランシスコ・ベイエリア、この二つのエリアはバイオテック の集積地・エコシステムとして世界的にも注目を浴びるとともに、様々な国や都市が同じようなエコシステムを作ろうと様々な取り組みを行っています。日本も例外ではありません。産学連携の促進やスタートアップ支援など様々な政府の政策や大学・企業の取り組みが行われています。しかし、それらの取り組みの成果がエコシステムにつながっているのか?このまま続けていたらボストンのようなバイオテック ・エコシステムが日本にできるのか?と聞かれたら、特にボストンにいらっしゃる皆さんは確信を持ってイエスと言うことは難しいのではないでしょうか。では、どうしたらいいのか?政府や大学・企業の取り組みのみならず、研究の世界に関わる一人一人に何ができるのか?日米のエコシステムの違いを見ていくことで、一人一人が考えるきっかけになればと思います。

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「がん免疫をよりピンポイントに!〜CART療法による近未来のがん治療〜」

黒川 友博 氏

Department of Surgery, Massachusetts General Hospital

東京大学医科学研究所附属病院 外科


概要 

21世紀になり、平成から令和にかわる現在でも、がんは我が国における第一位の死亡原因であり続けています。治療効果が望めるがんが増えた一方で、膵癌などにおいてはあまり劇的な進歩を認めていません。

最近、従来の外科治療、化学療法、放射線療法などとは異なる治療法として「がん免疫療法」が注目されてきています。昨年日本中が沸いたノーベル賞でも話題となった免疫チェックポイントを利用した治療薬が今現在の主ながん免疫療法ですが、それとは別に、遺伝子導入によりがんに対する反応性を高めた免疫細胞を患者さんに投与するCART療法が新規がん免疫療法として期待されています。CART療法はよりピンポイントにがん細胞を攻撃することができるので、既存の治療では効果が得られないがんに対し、その効果が期待されています。本講演では、その仕組みと今後の展望についてお話ししたいと思います。

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第172回講演会

日時: 2019年4月20日(土) 16:20-18:45
会場: MIT E25-111

「起業とベンチャーキャピタル~エコシステムへの貢献~」

森 文隆 氏

Remiges Ventures

大鵬薬品工業


概要

皆さんは、起業されたこと、あるいは起業したいと思ったことはありますか?ボストンにいると身の回りに起業する方が多く、本当に驚きますよね。では、日本とボストンでは何が違うのでしょうか?よくイノベーションエコシステムやベンチャーエコシステムという言葉を耳にする機会があるかと思いますが、ボストンではベンチャー企業が生まれ、成功し、産業育成に貢献するまでに必要な“エコシステム”が見事に整っています。つまり、産・官・学が上手く連携し、ヒト・モノ・カネが好循環しているのです。そのエコシステムに重要な役割を果たしているプレイヤーの一つが、ベンチャーキャピタル(通称VC)です。本講演では、VCでの創薬ベンチャーへの投資経験を通して感じた、起業家とベンチャーキャピタリストの密接な関係性を見ていくと共に、日本のイノベーションエコシステムの発展についても、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

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「体験的安全保障論:日本を取り巻く戦略環境とこれからの安全保障+」

磯部 晃一 氏

ハーバード大学アジアセンター上席研究員


概要 

皆さん、安全保障・防衛問題というのは、なかなか身近に感じることがない分野ではないでしょうか。でも、北朝鮮による核・弾道ミサイル開発、東及び南シナ海で繰り広げられる中国による活発な軍事活動は、何かと不安な思いを抱かせることでしょう。昨年1月、総理府が行った自衛隊・防衛問題に関する世論調査では、実に国民の85.5%が「日本が戦争に巻き込まれる危険性がある」と答えています。今日は、短い時間ですが、我が国が置かれた現在の安全保障環境をどのようにとらえればよいか、一緒に考えてみましょう。時間軸と空間軸から考えてみます。時間がありましたら、安全保障には直接関係ありませんが、このボストン日本人研究者交流会のルーツがどこにあるのか、私なりに探究したことを紹介させていただきます。

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第171回講演会

日時: 2019年3月16日(土) 16:20-18:45
会場: MIT E25-111

「私たちの社会は私たちが作れる〜「仕方がない」から「仕方がある」へ〜」

鎌田 華乃子 氏

ハーバード大学 社会学部

ウェザーヘッド日米関係プログラム


概要

「しかたがない」みなさんは最近、どんなときに言いましたか?「私の参加により,変えてほしい社会現象が少し変えられるかもしれない」という質問に対して、そう思うと肯定した日本の中高生は30.7%。同じ質問に対しアメリカは52.9%、ドイツは52.2%でした。  社会運動というと学生運動、安保運動を思い浮かべる人が多いかもしれません。「結局何も変えられなかった」と。しかし、国際的な政治学・社会学でさえも日本の様々な社会運動―消費者、公害、労働、マイノリティ人権運動など―の成功事例が分析されています。でも肝心の私たちはそのことを知りせん。私は企業活動から社会をよくしようとし、市民社会にキャリアをシフトし、現在は変化を起こせる効果的な社会運動を研究しています。なぜ私たち一人ひとりが社会変化を求めて動くことが大事なのか、私自身や仲間たちが起こした事例をもとになぜ変化を起こせたのか、そして私たちは何をしていく必要があるのか提起してみなさんと考えたいです。

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「光が導くがん外科治療の未来」

野村 信介 氏

Gordon Center for Medical Imaging, Massachusetts General Hospital

防衛医科大学校 外科学講座


概要 

皆さんは人体アトラスをご覧になったことがありますか?動脈は赤、静脈は青、神経は黄色、リンパは緑などのカラフルに描かれています。しかし、実際の手術ではこのような臓器同士の境界線を認識することは困難なことが多く、しかもこれらの脈管やリンパは黄色い脂肪に包含されているため、外科医は手術前の画像や「経験」を元に臓器を切り分けていかなくてはいけません。また、内視鏡下手術の普及に伴い、開腹手術のように直接外科医の手で体腔内において臓器を触れることができないため、より視覚情報が重要になってきます。そこで、臓器の輪郭やがん組織を特異的に「光らせる」蛍光色素やナノ粒子を用いることで、がんの正確な位置や人体アトラスのような生体の構造を容易に視認できるようになり、外科医はより安全、確実な手術を行えるようになります。本講演では、胃がんを軸に光線療法の話題にも触れながら基礎的なことから臨床応用までお話ししたいと思います。

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第170回講演会

日時: 2019年2月16日(土) 16:20-18:45
会場: MIT E51-345

「バッテリーと原子の話 〜電池ってなんだ?〜」

長尾 佳祐 氏

Massachusetts Institute of Technology

IHI


概要

皆さんのスマートフォンに入っている「リチウムイオン電池」は1991年に生まれ,現在では当初の2~3倍まで性能が向上しました.軽く・小さくなったことで,ドローン・ウェアラブルデバイス・電気自動車などワクワクする製品が実現してきました. このように私達の生活に無くてはならないものになった電池ですが,そもそも電池とは何でしょうか?どうして電気をためられるのでしょうか? 実は,電池でキーとなるのは原子(大きさ約0.0000000001メートル)の動きです.本公演では,原子を見ることに情熱を注いできた演者が,電池が動くメカニズムについて原子の視点からお話しします.さらに,現在研究している「ナトリウム」イオン電池を紹介し,将来の電池がどうなっていくか,電池は社会にどんな影響を与えるのかを様々な分野の皆さまと一緒に考えてみたいと思います.

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「老化速度の制御は可能か? 〜ここまでわかった老化の分子メカニズム〜」

篠崎 昇平 氏

Massachusetts General Hospital,

Anesthesia, Critical Care and Pain Medicine


概要 

「不老長寿に関する研究をしています」と言うと、胡散臭い研究者に思われることが多い。なので、普段は「糖尿病や動脈硬化に関する研究をしています」と言うようにしている。なぜ、胡散臭いのか?それは誰もが実現不可能だと感じているからではないだろうか。不死の実現は可能性が限りなく低いが、不老に関しては最近の研究で実現の可能性が示されている。最も古い不老不死に関する記述は、人類最初の文明とされるメソポタミア文明(ギルガメッシュ叙事詩:紀元前2000年頃)の時代から存在している。しかし、現在に至るまで“確実に”老化速度を止める方法は見つかっていない。老化減速を可能とする唯一の方法として「カロリー制限」が有効であることが知られているが、ヒトにおいても有効であることが科学的に証明されたのは、昨年のことである。本講演では、古典的な老化の学説とともに、ここ数年で急速に進展した老化の分子メカニズムについて、演者の研究する内容を加えて紹介したい。

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第169回講演会

日時: 2019年1月19日(土) 16:20-18:45
会場: MIT E25-111

「浮世絵にはなぜ影がないのか?」

松浦 昇 氏

Harvard University, Reischauer Institute of Japanese Studies

東京藝術大学大学院映像研究科


概要

現在、一般的に浮世絵は日本らしい絵画の表現と認識されています。しかし江戸時代の観客の受け止め方はどちらかと言えば真逆で、西洋画の一種と思われることすらあったようです。浮世絵師は鎖国時代にありながら、オランダ経由の洋書の中にある銅版画などを参考に、遠近法や西洋的な人体表現などを取り入れていきます。しかし陰影法だけは積極的に取り入れられることはありませんでした。同時代には秋田蘭画や銅版画家の司馬江漢などの洋画家も存在しているので、影を描写する方法に関する知識がなかった訳ではありません。 一体なぜ影が描かれないのでしょうか?木版画という技法的制約?伝統的な表現から離れられなかったから?本発表では葛飾北斎や歌川国芳などの浮世絵を参考にしながら、日本と西洋の絵画の違いについて「影」という観点から比較し、浮世絵からの影の消失について考えてみます。

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「“ものさし”で測る宇宙の加速膨張 〜精密科学としての宇宙論の現状〜」

羽田 龍一郎 氏

Harvard-Smithsonian Center for Astrophysics

東北大学大学院理学研究科


概要 

「宇宙は膨張していて、しかも加速している...」というようなことは皆さんもどこかで耳にしたことがあるかもしれません。アインシュタインの相対性理論によると、膨張の仕方は宇宙を構成する物質の組成・性質によって決められます。そのため、宇宙膨張の歴史を正確に調べることにより、「宇宙は何でできているのか?また、どのように進化してきたのか?」という問いに迫ることができます。実際、超新星爆発の明るさや銀河の3次元分布に刻まれた特徴的なスケールを「ものさし」として用いることで、宇宙の膨張率の測定が行われてきました。特に近年では、観測規模が拡大したことに加え、装置や技術、解析手法が進歩したことにより、誤差1〜2%の精度での測定が可能になっています。本講演では、この「宇宙を測るものさし」に注目し、精密科学と呼べるまでに発展した観測的宇宙論の現状を紹介したいと思います。

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(c) 2000-2019 Boston Japanese Researchers Forum

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