FrontPage
過去の講演 †
2018
2017
2016
2015
2014
2013
2012
2011
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
基調講演一覧
特別講演一覧
Best Lecture Award
2019 †
第170回講演会 †
日時: 2019年2月16日(土) 16:20-18:45
会場: MIT E51-345
「バッテリーと原子の話 〜電池ってなんだ?〜」 †
長尾 佳祐 氏
Massachusetts Institute of Technology
IHI
概要
皆さんのスマートフォンに入っている「リチウムイオン電池」は1991年に生まれ,現在では当初の2~3倍まで性能が向上しました.軽く・小さくなったことで,ドローン・ウェアラブルデバイス・電気自動車などワクワクする製品が実現してきました. このように私達の生活に無くてはならないものになった電池ですが,そもそも電池とは何でしょうか?どうして電気をためられるのでしょうか? 実は,電池でキーとなるのは原子(大きさ約0.0000000001メートル)の動きです.本公演では,原子を見ることに情熱を注いできた演者が,電池が動くメカニズムについて原子の視点からお話しします.さらに,現在研究している「ナトリウム」イオン電池を紹介し,将来の電池がどうなっていくか,電池は社会にどんな影響を与えるのかを様々な分野の皆さまと一緒に考えてみたいと思います.
|
「老化速度の制御は可能か? 〜ここまでわかった老化の分子メカニズム〜」 †
篠崎 昇平 氏
Massachusetts General Hospital,
Anesthesia, Critical Care and Pain Medicine
概要
「不老長寿に関する研究をしています」と言うと、胡散臭い研究者に思われることが多い。なので、普段は「糖尿病や動脈硬化に関する研究をしています」と言うようにしている。なぜ、胡散臭いのか?それは誰もが実現不可能だと感じているからではないだろうか。不死の実現は可能性が限りなく低いが、不老に関しては最近の研究で実現の可能性が示されている。最も古い不老不死に関する記述は、人類最初の文明とされるメソポタミア文明(ギルガメッシュ叙事詩:紀元前2000年頃)の時代から存在している。しかし、現在に至るまで“確実に”老化速度を止める方法は見つかっていない。老化減速を可能とする唯一の方法として「カロリー制限」が有効であることが知られているが、ヒトにおいても有効であることが科学的に証明されたのは、昨年のことである。本講演では、古典的な老化の学説とともに、ここ数年で急速に進展した老化の分子メカニズムについて、演者の研究する内容を加えて紹介したい。
|
第169回講演会 †
日時: 2019年1月19日(土) 16:20-18:45
会場: MIT E25-111
「浮世絵にはなぜ影がないのか?」 †
松浦 昇 氏
Harvard University, Reischauer Institute of Japanese Studies
東京藝術大学大学院映像研究科
概要
現在、一般的に浮世絵は日本らしい絵画の表現と認識されています。しかし江戸時代の観客の受け止め方はどちらかと言えば真逆で、西洋画の一種と思われることすらあったようです。浮世絵師は鎖国時代にありながら、オランダ経由の洋書の中にある銅版画などを参考に、遠近法や西洋的な人体表現などを取り入れていきます。しかし陰影法だけは積極的に取り入れられることはありませんでした。同時代には秋田蘭画や銅版画家の司馬江漢などの洋画家も存在しているので、影を描写する方法に関する知識がなかった訳ではありません。 一体なぜ影が描かれないのでしょうか?木版画という技法的制約?伝統的な表現から離れられなかったから?本発表では葛飾北斎や歌川国芳などの浮世絵を参考にしながら、日本と西洋の絵画の違いについて「影」という観点から比較し、浮世絵からの影の消失について考えてみます。
|
「“ものさし”で測る宇宙の加速膨張 〜精密科学としての宇宙論の現状〜」 †
羽田 龍一郎 氏
Harvard-Smithsonian Center for Astrophysics
東北大学大学院理学研究科
概要
「宇宙は膨張していて、しかも加速している...」というようなことは皆さんもどこかで耳にしたことがあるかもしれません。アインシュタインの相対性理論によると、膨張の仕方は宇宙を構成する物質の組成・性質によって決められます。そのため、宇宙膨張の歴史を正確に調べることにより、「宇宙は何でできているのか?また、どのように進化してきたのか?」という問いに迫ることができます。実際、超新星爆発の明るさや銀河の3次元分布に刻まれた特徴的なスケールを「ものさし」として用いることで、宇宙の膨張率の測定が行われてきました。特に近年では、観測規模が拡大したことに加え、装置や技術、解析手法が進歩したことにより、誤差1〜2%の精度での測定が可能になっています。本講演では、この「宇宙を測るものさし」に注目し、精密科学と呼べるまでに発展した観測的宇宙論の現状を紹介したいと思います。
|
(c) 2000-2019 Boston Japanese Researchers Forum
| |