ボストン日本人研究者交流会 (BJRF)

ボストン在住日本人による、知的交流コミュニティーです。

過去の講演・活動

日本支部(In Japan)

第3回 講演会

2018年5月19日(土)開催の研究者交流会では、ロボット工学、再生医療、法律、ジャーナリズムの分野から、新山 龍馬(Ryuma Niiyama)氏、戸口田 淳也(Junya Toguchida)氏、和田 幹彦(Mikihiko Wada)氏、錦光山 雅子(Masako Kinkozan)氏にご登壇いた だきました。 今回ご参加いただいた方々のボストン滞在時期は1995〜2018 でした。

【日時/場所】
第3回 BJRF in Japan 講演会
日時: 2018年5月19日(土) 14:00-18:00
会場: 大妻女子大学 千代田キャンパス、本館F棟7階742講義室


【講演1】「これからのロボット」
新山 龍馬(Ryuma Niiyama)氏
東京大学 情報理工学系研究科 講師
[2010.10-2014.3 | Postdoctoral Associate, MIT CSAIL / Media Lab / MechE]

【講演要旨】 ロボットは、工場から空想の物語の中まで、あちこちに見られ、様々な期待を集めている。現在のロボット技術はどんな水準にあり、これからのロボットはどこに向かっていくのか、ロボット研究者の視点で解説する。人工知能ブームと同期して、ロボットの利用は進んでいるが、そこにはロボットに特有の、実在する機械ならではの課題がある。ペットロボットの再発売や、荒野を歩く人型ロボットの発表など、最近のロボットニュースに触れつつ、印刷できるロボット、やわらかいロボットなど、最先端の話題を提供する。

第1講演

【講演2】「ヒトiPS細胞の医療応用の現況と展望」
戸口田 淳也(Junya Toguchida)氏
京都大学ウイルス再生医科学研究所 教授
iPS細胞研究所 副所長
[1989-1991 | Postdoctral fellow, Harvard Medical School]

【講演要旨】 iPS細胞とは、皮膚線維芽細胞などの分化した体細胞に、複数の遺伝子を導入して、細胞全体の遺伝子発現パターンを胚性幹細胞の状態に書き換えることによって作製された人工多能性幹細胞です。2017年にヒトiPS細胞樹立が報告されて以来、様々な領域においてiPS細胞の医療応用が推進されてきました。2015年の秋には世界で初めてのiPS細胞由来の網膜の細胞を用いた細胞移植治療の臨床試験が実施され、昨年その臨床経過が順調であることが報告されました。また私たちは昨年、iPS細胞を活用した病態研究から、進行性骨化性線維異形成症という希少難病に対する治療薬の候補を同定し、医師主導治験を開始しました。講演では京都大学iPS細胞研究所における活動を中心に、現在のヒトiPS細胞の医療応用の内容を紹介し、課題と展望を述べたいと思います。

第2講演

【パネルディスカッション】「サイエンスと社会のインターアクション」
~ 再生医療・ロボット・法・ジャーナリズムの視点から~(講演者含む4名)

和田 幹彦(Mikihiko Wada)氏
法政大学法学部 教授
[2001.4-2003.3 | Visiting Scholar, MIT, Boston University, Harvard University]

錦光山 雅子(Masako Kinkozan)氏
ザ・ハフィントン・ポスト・ジャパンハフポスト日本版ニュースエディター
[2012.8-2013.8 | Visiting Scientist, Harvard School of Public Health]



パネルディスカッション


第2回 講演会

7月2日(土)開催の研究者交流会では、芸術、IT/ビジネス、テクノロ ジーの分野から、木ノ内 輝(Hikaru Kinouchi)氏、山本 康正 (Yasumasa Yamamoto)氏、遠藤 謙(Ken Endo)氏 にご講演いた だきました。 今回ご参加いただいた方々のボストン滞在時期は1997〜2016 でした。

【日時/場所】
第2回 BJRF in Japan 講演会
日時: 2016年7月2日(土) 13:50-17:45
会場: 湯島キャンパス、1号館西7階、第三講義室


【講演1】「決断の時:異分野での起業」
木ノ内 輝(Hikaru Kinouchi)氏
株式会社 Tokyo New Cinema 代表取締役社長
[2013.8-2015.8 | Schepens Eye Research Institute, Massachusetts Eye and Ear Infirmary, Harvard Medical School]

【講演要旨】 資金なし・経験なし・コネなし。2015年ボストンで医学研究を終え て帰国後、日本で1番新しい映画会社「Tokyo New Cinema」を創設しました。現 在は日本一の映画祭である東京国際映画祭に2年連続で入選し、JETROにより日 本を代表する新しいコンテンツ輸出会社としてカンヌ国際映画祭の出展企業にも 選ばれましたが、医学から映画という異分野での起業は当時誰にも理解されませ んでした。なぜ起業したのか、どのように異分野の経験を生かし活動しているの かをご紹介いたします。

第1講演


【講演2】「FinTechとそのテクノロジーの未来」
山本 康正(Yasumasa Yamamoto)氏
投資家
[2009-2012 | Harvard University,
School of Public Health, Master of Science]

【講演要旨】 スマートフォン、ウェアラブル、人工知能の普及によって、金融 サービスの提供者が顧客について取得できる情報や処理できる量は以前に比べて 格段に増えました。情報量や処理量が増えれば健康保険、自動車保険、ローンな どの金融サービスはより業務を改善することでき、革新的なサービスが提供でき る可能性を持っています。スタートアップによる新しい参入だけではなく、既存 の異業種のビジネスが新しく金融業に参入する傾向も増えてきています。なぜ今 なのでしょうか? FinTechは東京においてバズワードとなりましたが、実務の分野ではロンドン、ニ ューヨークが先を進んでいます。欧米での事例を交えながら、書店にならぶよう な単なるバズワードに踊らされずに、今起こっていること、その方向性、ブロッ クチェーン、ビットコインと整理をしてご紹介をします。

第2講演


【講演3】「パラリンピックとサイバスロンへの挑戦」
遠藤 謙(Ken Endo)氏
株式会社Xiborg 代表取締役
株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所 研究員
[2005-2012 | MIT Medialab, Ph.D. Student]

【講演要旨】 人間の身体は技術を使い、自分の身体能力を拡張することが可能 です。例えば、パラリンピックに出場する義足アスリートは、義足を巧みに使い こなすことによって障害で失われた機能を補間し、非常に速く走ることができま す。さらに、最近ではパラ幅跳び選手がロンドンオリンピックでの金メダル相当 の記録を出し、義足技術が有利か不利かという物議を醸しています。本講演では 、我々のパラリンピックとサイボーグ技術の競技会であるサイバスロンへの取り 組みを紹介し、身体と技術が将来どのような方向に進化をするかということを参 加者のみなさんと考える場を作りたいと考えています。

第3講演


第1回 講演会

11月29日(日)開催の研究者交流会では、ビジネス、自然科学、人文社会科学の分野からそれぞれ、3名の素晴らしい演者の方にご講演頂きました。

【日時/場所】
第1回 BJRF in Japan 講演会
日時: 2015年11月29日(日) 13:50-17:45
会場: 東京医科歯科大学 M&Dタワー2F 共通講義室1

「プライバシー・ブリッジ」~ビッグデータ、モノのインターネット、マイナンバー~
宮下 紘(Hiroshi Miyashita)氏
中央大学総合政策学部 准教授
[2012.5-2013.3 | Visiting Scholar, Harvard Law School]

【講演要旨】 ビッグデータの時代において、個人情報は21世紀の新たなオイルである。 モノのインターネットの到来により、あらゆるモノや人がつながれるようになった。マイナンバーの開始に伴い、個人の情報は政府により効率的に管理されることとなる。 プライバシーをどのように保護すべきか、という問いは理論においても実務においても喫緊の課題である。そして、プライバシー保護を考えるには、もはや法学の分野のみならず、他の分野の知見が必要となっている。本報告では、近時のプライバシーが危機にさらされている中、どのようにプライバシーを権利として復権させるべきかについて、アメリカとヨーロッパのプライバシー二都物語を手掛かりに考えていく。

第1講演


「セレンディピティの計画的創出」
合田 圭介(Keisuke Goda)氏
東京大学大学院理学系研究科 教授
内閣府革新的研究開発推進プログラムImPACT プログラムマネージャー
カリフォルニア大学ロサンゼルス校工学部 兼任
[2001-2007 | PhD Student, Department of Physics, MIT]

【講演要旨】 「自然科学」は自然現象の法則性を明らかにする学問であり、その前提として、研究対象とする現象を再現させることが必須とされてきました。そのため、これまでの自然科学研究では再現性の高い現象のみを研究対象とする傾向にあり、また、その再現性に基づき応用技術化してきました。しかし、歴史が示す通り、 多くの科学的大発見は偶然の幸運な発見を意味するセレンディピティによってもたらされています。 私がプログラムマネージャーとして推進している内閣府革新的研究開発推進プログラムImPACTの『セレンディピティの計画的創出』では、人間的な時間制限によりこれまで私たちが見逃してきたこの「科学的セレンディピティ」を計画可能な出来事に変えていくことにより、グリーンイノベーション及びライフイノベーションの双方に質的変革を引き起こし、世界をリードする新たな産業の創出を図る画期的な試みを行っています。本講演では、本プログラムが目指す究極的な細胞検索エンジンの開発とそれがもたらす新たな世界を紹介します。

第2講演


「ハーバードで学んだリーダーシップ像」 藤井 清孝(Kiyotaka Fujii)氏
株式会社グローバル・エッジ 代表取締役社長
[1984-1986 | Harvard Business School MBA ‘86]

【講演要旨】 私は1980年代半ば、日本の存在感が世界で一番強かった頃、ハーバード・ビジネススクールでMBAを取得し、そのあとウォール街、シリコンバレーで資本主義の洗礼を浴びる仕事に就いていました。10年後、ヨーロッパ企業の日本法人社長を務めることで、米国型、欧州型資本主義の両方を体験し、日本型資本主義やリーダーシップのあり方を深く考えさせられました。 ハーバードで強調されていたリーダーシップ像は、「Make a Difference」ということです。「社会を一歩でも前進させる為に貢献しろ!」といったニュアンスですが、「Be Different」でもなく、「出る杭は打たれる」でもなく、「結果」にフォーカスした素晴らしい哲学と思います。 私のグローバル・キャリアの原点はハーバードです。グローバル企業の経営者として、日米欧エリート達と実務をこなして来た経験を踏まえて、私の考える日本のリーダーシップのあり方をお話ししたく思います。

第3講演


東京都内にてBJRF in Japanキックオフ交流会を開催いたしました。
当日は1週間前というショートノーティスにも関わらず32名の方にご参加頂きました。おかげさまでとても有意義なキックオフ会に出来ました事、大変感謝しております。
参加者の滞在時期、専門分野ともに多岐に及び、In Japanの大きな目的の一つである「滞在時期を越えたネットワーキング」において、今後その役割を果たしていけるのではないかと考えております。

現在、幹事団でメーリングリストの最終準備をしております。

みなさまの期待に応えられるよう、まずは第1回の成功を目指して幹事一同尽力して参りますので今後ともご支援よろしくお願い致します。

bjrf_japan_kickoff_meeting