ボストン日本人研究者交流会 (BJRF)

ボストン在住日本人による、知的交流コミュニティーです。

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2006

第60回 講演会

日時: 2006年12月16日(土) 16:00-
会場:
「ほうれん草で太陽電池をつくる -ナノバイオテクノロジーの世界-」
松本和也 氏
MIT Center for Biomedical Engineering
三井化学株式会社

「ええっ!ほうれん草で太陽電池なんて本当にできるの!?」
できます(キッパリ)。
植物の光合成タンパク質は、光エネルギーを電気エネルギーに無駄なく100%で変換!
現行の太陽電池の効率20%と比べ、遥かに高性能です。
この驚異の分子マシンから直接電気を取り出すため、様々なナノテク技術が開発されました。
しかし最後に一つ課題が残されています。
じつはその課題、全てのナノテクノロジーが直面している共通の大問題でもあるのです・・・。
今回は皆さんをトンデモ科学・・・もとい、ナノバイオテクノロジーの世界にご招待いたします。

「医療の質とアカウンタビリティ」
秋山昌範 氏
MIT Sloan マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院 客員教授
東京医科大学医療情報学講座 客員教授

最近、日本では「立ち去り型サボタージュ」なる言葉が流行しているそうです。内容は国民からの過剰な安全要求などで、医師はリスクの高い病院診療から離れ始めると いうことです。その一因に、医療に関する報道量は急増したものの、質が追いつかな い点もあると思われます。
今まで、大学は医療従事者を育ててきましたが、医療を評価し内容を分かり易く伝えることには大きな力を注いでこなかったように思います。時代は「アカウンタビリティ」を求めています。情報流通量が急増したことと同時にインターネット、特にGoogleのような情報検索機能が大きく発達し、一般人が医療情報を容易く手に入れられるようになったことが大きいでしょう。
情報洪水の結果、患者意識の高まりにより、もはや患者を医療行為の練習台にはできません。実践で上手くなっていくという手法は通用しない時代になってきました。一方で、現代医療には費用対効果、すなわち医療経営の感覚が必須です。日本では アカウンタビリティを説明責任と訳すことが多いようです。この言葉はアカウンティング(会計)とレスポンシビリティ(責任)の合成語です。アカウンタビリ ティとは、例えば胃がんなどある疾患の治療費が100万円では必要ないですが、1000万円掛かる場合に必要な能力です。今、日本の医療に必要なのは、この能力ではないかと思います。
「なぜ、安全で高品質の医療には金が掛かるのか」を説明できる医師が多く育って欲しい、そういう場所を我が国にも作れないだろうかと感じています。

第59回 講演会

日時: 2006年11月18日(土) 16:00-
会場:
「鉄道技術の基本講座と鉄道をとりまく環境 -海外プロジェクトのはなし-」
山田千晶 氏
(株)日立製作所 交通システム事業部
John F. Kennedy School of Government, Harvard University

日頃私たちが何気なく利用している鉄道には、実はさまざまな技術が凝縮されています。それだけでなく、鉄道が絡む海外プロジェクトは国家レベルのものが多く、政治的駆け引きの道具になることもあります。今回の講演では、鉄道車両を製造する側の立場から、鉄道を支える技術について 解説した後、海外プロジェクトの進め方や鉄道業界の今後の課題についてお話したいと思います。鉄道ファンの方もそうでない方も是非お越しください。お待ちしております。

「“睡眠力”をつける。ぐっすり眠って脳もカラダも充実健康生活」
西多昌規 氏
ハーバード大学医学部
ベス・イスラエル・ディーコネス・メディカルセンター 精神科
(東京医科歯科大学 精神行動医科学)

「8時間以上寝ると早死にする?」「なかなか寝つけないけどどうすれば?」「睡眠薬をのんでいるとボケる?」「睡眠学習ってほんとうにあるの?」「時差ぼけ対策のいい方法は?」
「昼間眠くてどうしようもない」「一夜漬けはほんとうに有効?」
こんな疑問、もったことはありませんか?人生の3分の1は睡眠です。これほど長い時間を費やしているにもかかわらず、睡眠はナゾだらけ。正しい知識もあれば、間違った常識、奇妙な迷信?まで、いろいろまかり通っています。
不眠症、うつ病、昼間の眠気、いびき、歯ぎしり、朝弱い・・・深刻な病気からそうでもないものまで、睡眠の問題は幅広いです。精神科臨床と脳科学研究の経験から、あまり知られていないが結構身近にある睡眠関連の病気と対策をご紹介したいと思います。
「脳を鍛える」が流行のキーワードになっていますが、「脳を休める」ことも記憶・学習に大切な役割を果たしています。パソコンはオフラインでは機能を完全 に停止していますが、人間の脳はオフライン=睡眠でも、夢も含めていろいろ面白い働きをしています。人間の生産的活動に睡眠がとても重要であることもお伝 えできればと思います。

第58回 講演会

日時: 2006年10月21日(土) 16:00-
会場:
「トヨタ生産方式:世界のもの造りを支える画期的思想と今後の課題」
小早康之 氏
トヨタ自動車株式会社 エンジン生技部
MIT Sloan School of Management, MBA Class of 2007

ムダの徹底的排除と合理性を追求し、生産ノウハウをシステム化したトヨタ生産方式(TPS)。今では世界中の企業で採用され、製造業のグローバルスタンダードとなりました。「現時現物による絶え間ない改善」を思想とするTPSは一見当たり前のことをやっているだけのようですが、実は奥が深く、かんばん・あんどん等の「仕組み」を取り入れただけでは良い商品は造れません。ではTPSの何処が優れているのか?何故競合他社が真似できないのか?簡単な事例を通じてTPSの基本をご紹介します。また、最近の品質問題も取り上げ、今後の日本製造業の競争力の行方についても皆さんと議論したいと考えています。

「医療機関における危機管理体制:新型インフルエンザ、大規模自然災害、爆弾テロと闘う病院づくり」
永田高志 氏
聖マリア病院救命救急センター
日本医師会総合医療政策研究機構客員研究員
ハーバード大学公衆衛生大学院武見フェロー(2004,2005年)

我々は2001年9月11日のニューヨーク世界貿易センタービル同時多発テロに端を発した米国が推し進める「テロとの闘い」の中にあります。一方で、 2004年のインドネシア沖津波、2005年の米国南部に大きな爪あとを残したハリケーンカトリーナのように、現代社会は大規模自然災害に対する脅威に曝されております。このような世界を取り巻く環境の中で医療・公衆衛生に携わるものも否応なくその対応に関わらざるを得なくなりました。今回は各種の大規模災害に対して医療・公衆衛生機関はどのように対応するべきか、以下の具体的な事例を元に検討し、教訓を得たいと思います。
・ ハリケーンカトリーナ(2005年)と阪神淡路大震災(1995年)
・ 香港SARS(2003年)と鳥インフルエンザ
・ 爆弾テロと筑後川花火大会(2006年)
・ 日本の災害医療体制の問題点 DMAT(Disaster Medical Assistant Team)の是非
自由にご質問いただければ幸いです。

第57回 講演会

日時: 2006年9月16日(土) 16:00-
会場:
「未来都市には路面電車が復活? -持続可能な社会に向けた都市交通戦略- 」
松尾美和 氏
Harvard Graduate School of Design / Doctor of Design

今までどんな街に暮らしてきましたか?
その生活の中でどんな交通手段を使っていましたか?
あなたにとって自動車とは何ですか?
普段の暮らしで何気なく使っている交通手段。必要なもの、不可欠なものとして当たり前に使っているこれらが実は、都市の持続可能性を考える上での鍵になります。
自動車の普及は20世紀、人々の暮らしを大きく変えました。
自動車の所有で人は移動の自由を得、「庭付き一戸建ての家を買い、閑静な住宅街で暮らす」ということも庶民にも実現可能な夢となりました。
でもその結果はどうでしょう?朝夕の大渋滞は言うに及ばず、「理想の住環境」であったはずの郊外でコミュニティの崩壊が徐々に囁かれるようになりました。
あの酒鬼薔薇事件ですら、「郊外」という社会病理の結果だといわれています。
人の暮らしは、人の心は、その環境に大きく影響されるものです。
都市という「環境」を変えることで、あなたの生活をこっそり変えようとしているのが都市計画家です。

「錯覚研究を通した触覚の科学 ―さわる・触れる・感じる―」
仲谷正史 氏
Harvard University Division of Engineering and Applied Sciences/BioRobotics Lab
東京大学大学院情報理工学系研究科

Touching is Believing?
人は見た目が9割,というタイトルの本が日本ではベストセラーになっているように,日常生活では視覚情報の利用が人の行動を決める要因の大半を占めていると言われています.一方で,日常生活で何気なく使っている5感の中で,触覚は他の4つの感覚(視覚・聴覚・味覚・嗅覚)に比べて意識して使う場面は少ないのではないでしょうか.しかし,これは意識に上る感覚の話であって,人間が気づかないところで膨大な触覚情報が処理されています.たとえば,パーティで持っているグラスを落とさずに立ちながら会話が出来てしまう,というのは実は触覚の手助けがなければ決してできない離れ業です.人間は触覚情報を無意識のうちに巧みに使うことで,安定した日常生活を享受しています.
しかしながら,触覚がもつその膨大な情報量がゆえに,ある場面では錯覚現象(物理的な特徴と異なる感覚を得ること.例:冷たいものと温かいものを同時に触ると痛みを感じるThermal grill Illusion)が生じることがあります.錯触覚の例は,古くはアルキメデスの時代から始まり,数千年をかけて少しずつ報告されてきています.これらの 現象を手がかりとして,人間が触覚を使って何を感じているのか(脳がどのように触覚情報を解釈しているのか)を知ることが,私の研究トピックです.本講演では体験型デモ(触覚/皮膚感覚の錯覚)を交えながら,触覚研究の最先端を垣間見ていただければと考えています

第56回 講演会

日時: 2006年5月13日(土) 16:00-
会場:
「宇宙の始まりへの招待 - 古代の宇宙観と最新宇宙論 -」
郡和範 氏
ハーバード大学・宇宙物理学センター
Harvard-Smithsonian Center for Astrophysics (CfA), Postdoctoral Researcher

Introduction to the beginning of the universe — old picture of the universe and the recent cosmology —
最近の宇宙論研究により、宇宙の年齢が137億年、誤差が±2億年以内と決まったのはご存知でしょうか。米国NASAのWMAP衛星による、ここ3年の最新の観測結果です。
この事を耳にされると、「宇宙に年齢なんてあるのか?」などと思われたもいらっしゃるのではないかと思います。
そう、宇宙は絶対的で不変的な存在ではなく、大きさも年齢も有限で、今も進化し続けている存在なのです。現代宇宙物理学は、そうした活動的な宇宙の姿を見事に描き出して来ています。宇宙はかつて今の地球よりずっと小 さく、原子すら溶かしてしまうくらいの高温・高圧の火の玉でした。そこから爆発的に膨張する事で宇宙が始まりました。正しく現代的な宇宙描像を知る事は、我々が正しい哲学観を持つ事にも大きく影響を与える事でしょう。
そして現代宇宙物理学と素粒子物理学が抱える問題、宇宙に満ち溢れるダークマターとダークエネルギーとは…? さらに、我々の宇宙の未来は…?
古代の宇宙観に始まり、ニュートン以来の静的宇宙モデル、アインシュタインの一般相対性理論に基づくビッグバン宇宙モデル、現代宇宙論の基礎となった佐藤勝彦・グース達によるインフレーション宇宙論、ホーキングの特異点定理、加えてブライアン・グリーンの解説本でもおなじみ、ウィッテン達によるスーパーストリング理論による宇宙像、等々の”初等的な”解説を、理系でない方にもお分かり頂けるように、式を使わず、時間の許す限り、出来るだけ易しくお話しする予定です。

「世界からみた日本の医療制度 ~なにが問題なのか?:医療費30兆円の使い道~」
江副聡 氏
Harvard School of Public Health
厚生労働省

日本人が 今一番不安に思っていることは、世論調査によると、景気でも、外交でもなく、健康や老後をはじめとする医療や社会保障の問題です。日本では医療制度改革の 論議が国会ではじまり、医療をどのように改革するか盛んに議論されています。ただ、なんとなく「問題だ」と思ってはいても、具体的に何が問題でどう変えればいいのか、いまひとつピンとこない方も少なくないのではないでしょうか。
例えば、少子高齢化を迎え約30兆円にのぼる医療費の伸びを抑えることが重点課題の一つとされていますが、そもそも、医療費がだれによってどのように配分されているのか、あまり知られていないのが現状です。
そこで、約30兆円の医療費の使い道や配分方法を探りながら、日本の医療制度の「何が問題で、どのように変えればいいのか?」、はたまた、「そもそも本当に問題なのか?」、厚生労働省で医系技官として診療報酬に携わった経験や、ハーバード公衆衛生大学院で研究中の国際比較の視点を踏まえつつ、みなさまと考えていければと思います。医療に一家言ある方から、なんとなく興味がある方まで、お気軽にご参加下さい。

第55回 講演会

日時: 2006年4月22日(土) 16:00-
会場:
「株価暴落から大恐慌とニューディールへ―1930年代のアメリカから歴史を学ぶ」
河内信幸 氏
ハーヴァード大学Visiting Scholar
中部大学国際関係学部教授

アメリカの株価は、1987年10月の“ブラック・マンデー”や1997年10月の“ブルー・マンデー”に表れたように、1980年代に入ってからも 大きく変動しました。そのたびに、多くのエコノミストによって1929年10月24日の株価暴落、つまり“ブラック・サーズデー”と比較・検証され、株価 の先行きや経済政策の是非について論議されてきました。これは、単にニューヨーク・ダウやナスダックの株価変動を占うだけでなく、1930年代にアメリカがニューディールという、“レッセ・フェール”を切り替える大胆な政策を実施し、戦後のアメリカ社会を大きく規定する「ニューディール体制」を構築したからにほかなりません。
アメリカ社会は株価暴落によって未曾有の経済危機に見舞われ、賃金カットやレイオフはもちろんのこと、失業率が25%以上にのぼって自殺や子供の栄養失調も珍しくなくなりました。1920年代が大繁栄期であっただけに、この30年代の社会的危機は、当時のフランクリン・ローズヴェルト政権(民 主党)に従来の価値観や政策理念を転換させる姿勢をとらせました。それは、ケインズ的な財政支出の投入によって経済を支える、「大きな政府」の行政機能により規制を強化する、福祉的な政策を実施して社会的弱者を救済するなど、大胆な経済政策や制度改革に表れました。しかし、1980年代から今日までのアメリカ社会を振り返ると、ケインズ主義からマネタリズムへ、「大きな政府」から「小さな政府」へ、リベラリズムから保守主義へというように、逆転のモメントが強く働いてきました。それらも踏まえながら、大恐慌とニューディールの教訓を論じてみたいと思います。

「携帯電話のカラクリと、これからのケータイビジネス」
岸本豪 氏
MIT Sloan School of Management
NTT ドコモ

■携帯電話のカラクリ編
携帯電話を使っていて、疑問に思うことや気になることはありませんか?
・圏外だと電池がすぐなくなる気がするんだけど?
・携帯の会話って盗聴できるの?
・最近は海外でも同じ番号で使えるけど、どうやっているの?
ドコモでFOMAネットワークの開発に携わってきたエンジニアが、こんな疑問にお答えします。普段何気なく使っている携帯電話ですが、実はハイテクの塊。単に電話をかけるだけでも、裏では非常に複雑なことをやっています。そんな携帯電話のカラクリを、技術のバックグラウンドがない方にも分かりやすく説明したいと思います。
■ケータイビジネス編
15年前はほんの一部のあやしい(?)人しか使っていなかった携帯電話ですが、 今では9000万人以上のユーザを抱える社会のインフラに成長しました。それに伴い、これまで順調だった携帯電話ビジネスも転換期を迎えています。ユーザ数が頭打ちになるのに加え、ナンバーポータビリティ(携帯キャリアを変えても同じ電話番号を継続できる仕組み)の導入などもあり、携帯キャリア間の競争は激しくなる一方です。今後の携帯キャリアのビジネスの展望について、最近の事例を紹介しつつ、私個人の見解をお話させていただきます。

第54回 講演会

日時: 2006年4月13日(木) 16:30-
会場:
「日本の復活:アジアにおける新たなビジネス、R&D競争力の高まり」
塚本弘 氏
独立行政法人日本貿易振興機構 副理事長

講演者の塚本氏はJETRO(日本貿易振興機構)の副理事長を務め、科学技術版のダボス会議ともいえる科学技術国際フォーラム(STSフォーラム)の日本での開催にあたりオーガナイズに協力するなど、科学と産業の接点で豊富な経験をお持ちです。日本の科学技術政策の展望、産学連携のあり方、コスト競争力から技術力への発展が進むアジア地域で日本が果たしうる役割といった、幅広い論点について講演いただきます。なお、氏は4月9日~12日にシカゴで行われるBio2006(バイオ・ライフサイエンス産業における世界最大の国際会議)にてJETROとして広く産業交流支援に携わられた直後の講演のため、当地の様子についてもお話いただける予定です。

第53回 講演会

日時: 2006年3月18日(土) 16:00-
会場:
「その場で分かる迅速アレルギーテストの開発 ~バイオとビジネスの交差点としての検査薬&研究者としての限界と可能性~」
小野哲也 氏
MIT Sloan School of Management
三菱化学ヤトロン

スギ花粉のないボストンで春を過ごせてうれしい方も多いのではないでしょうか。アレルギーは日本だけでなく世界中で問題になっていますが、アレルギーの検査ってどんなものかご存知ですか?従来は採血した後、数日後に改めて病院に検査結果を聞きに行く必要がありました。「もっとアレルギーの検査が簡単にできればいいのに」と思い、足掛け4年に渡り精魂傾けて創ったのが、今回お話しさせて頂く「たった1滴の血液から機械なしで20分」で結果の分かる迅速アレルギー検査薬です。1年前から日本で発売開始し、5ヶ月で売り上げ1.5億円の順調なスタートを切りました。
http://www.mk-iatron.jp/products/02.html
・どうやってマーケット情報を収集し、どのように技術的障害を乗り越えたのか
・企業の中での開発経緯と製造や販売にまつわるお話
・検査試薬の将来展望と世界市場
・技術とビジネスの融合とリスク
このような内容を、2度のリストラを経験し、11年間研究開発に携わった後、現在ビジネススクールで学んでいる私の視点からご紹介できればと思います。また「バイオ技術とビジネスの交差点としての検査薬」を紹介しながら、バイオビジネスの将来像をみなさまとディスカッションできればと考えております。

「メディアを、消費者を動かし、ブランドを生き返らせろ! “連想構造”によるコンテクストブランディング ‐『あるある大事典』などメディアの舞台裏」
頼高画也 氏
MIT Sloan School of Management
電通

マーケティングの最先端は日本にありました。
広告会社に10年勤務し、自動車、食品、IT・通信会社などをクライアントとした マーケティングプランニングと、マーケティングの手法開発にも携わってきた経験から、今回は、日本発のユニークな広告手法を紹介します。
従来の認知心理学、社会心理学、統計学とアートをベースにした広告手法の枠組 を超え、「連想構造」に着目し、文化人類学、医学、美容学、化学、物理学、データマイニング、人口知能、情報工学をも駆使した、世界的にも類のないユニークな広告手法です。
その具体例として、「弱体化した機能性飲料ブランドの復活」の事例を解説します。計画に3年をかけ、実施4年の間に売上が60%上がり、リピーターが50%増加したという驚異的な広告キャンペーンです。そうした際、広告会社がどのような仕掛けを作り、身近なTV番組や新聞などのメディアを通じてどのようにして消費者に影響を与えていくのか、ダイナミックな舞台裏もご紹介します。

第52回 講演会

日時: 2006年2月18日(土) 16:00-
会場:
「ボクはどこからきたの?-哲学からロボット工学まで紐解く発生生物学の勧め-」
陸翔 氏
Dept. of Chemistry, MIT

皆さんは中学の教科書で習った「生物の発生」を覚えているでしょうか?内胚葉に中胚葉に、えーと。。。発生生物学はそんな暗記に満ちた無味乾燥な学問ではありません。ソフィーの世界の哲学に真剣に向き合っているのも発生学なら、いつかは鉄腕アトムを作ってみたいと日々夢見ているのも発生学です。ダーウィンフィンチの研究をしている人もいればES細胞を作っている人もいます。そんな、なんでもありの発生学ですが、その根底に流れるロジックは驚くほど普遍的です。
今回の講演では、動物及び植物で左右の非対称性が生まれるしくみを例にとり、そのロジックをご紹介したいと思います。バリバリ文系の方から発生生物学の権威の方まで楽しめるような内容にするつもりですので、ご期待下さい。

「それでもペットボトル水を買いますか? -環境リスクを考えよう-」
長谷川敬洋 氏
Harvard School of Public Health
環境省

最近の環境問題は、かつての公害のように、誰の目から見ても分かるような被害はほとんどなくなり、目には見えない『何か』が将来悪さをするのではないか、というようなものばかりです。毎年のように、明日にでも人類が滅亡するかのような物質が現れては消えますが、すでにある身の回りのものと比べて、どのくらいリスクが高いのでしょうか。
今回は、環境リスクとは何か、それはどのように計算されているか、そしてどのように政策に使われているかを簡単にお話ししたあとに、具体的な身の回りのリスクとして、ボストン界隈の水道水と鉛を事例としてご紹介いたします。

第51回 講演会

日時: 2006年1月28日(土) 16:00-
会場:
「ハゲタカ?それとも日本経済の救世主?-買収ファンドの展望-」
岩瀬大輔 氏
ハーバード・ビジネス・スクール2年
元リップルウッド・ホールディングス勤務

2004年2月、新生銀行の再上場によって、これによりリップルウッドを中心とした投資家グループが5千億円を超える莫大な上場益を得たことが報じられました。1999 年、経営破綻し国有化された日本長期信用銀行をリップルウッドが買収し、いわゆる買収ファンドの存在が日本に知られてから早6年。2005年にはダイエー、カネボウと大型の買収案件も実行され、ついに日本にも本格的な買収ファンドの時代が到来する、と言われています。これに着目し、KKR、ベイン・キャピタルなど、数兆円規模の資金を運用する米国を代表する買収ファンドもこのたび日本進出を正式に発表し、 活発に動き始めています。
今回はこの買収ファンドについて、投資から資金回収までのメカニズムを説明し、「現代の錬金術師」と言われる彼らがどのようにして大きな投資リターンを上げてきたのかを理解するとともに、米国・日本における最近の代表的な事例を紹介し、今後、日本で買収ファンドがどのように発展し、彼らが日本経済においてどのような役割を果たしうるのか、考えていくきっかけとさせてもらえればと考えています。

「ミュージック・セラピー:音楽による癒しの世界」
灘田篤子 氏
Dana-Farber Cancer Institute HealthCare Dimensions Hospice, Brayer State University (Doctoral candidate in Grief Counseling.)

クライアントと、録音されたクラシック音楽と夢分析を用いた個人セッション。出生時より難聴の子供たちと、打楽器を使ったグループでの音楽活動。精神病棟における、音楽を用いた毎朝の時間。はたまた、ホスピスにおける、末期癌患者やその家族との、ギター一本での個人・グループセッション。ミュージック・セラピーの適用分野は実に幅広く、私自身音楽療法を学ぶために渡米してから早5年、音楽が持つ力の大きさに、日々新たな感動と発見をしています。
音楽療法は、60年前PTSD(Post Trauma SynDrome)に苦しむベトナム戦争帰還兵たちが、薬でもなく、カウンセリングでもなく、唯一音楽が彼らの回復のきっかけを作ったことに始まり、その後ユングなどの心理学と音楽のインプロビゼーションや演奏スキルの双方を含む本格的な学問分野として、発展してきました。
今回は、数ある音楽療法の方法のなかから、Guided Imagery and Musicというやり方を、皆様に実体験していただき、時間が許せば、私自身の音楽療法士としてのセッションの体験から、例えば、自閉症の子供とのセッション、余命2週間の30台の乳がんの女性と、その5人の子供とご主人とのセッションについて、音楽がどういう役割をし、その人たちの心に何が起こったのかをお話しする予定です。
(色鉛筆、あるいは鉛筆をもっていらっしゃる方はご持参ください。)