ボストン日本人研究者交流会 (BJRF)

ボストン在住日本語話者による、知的交流コミュニティーです。

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2020

第180回 講演会

日時: 2020年2月15日(土) 16:20-18:45
会場: MIT E51-345
「デザインっていったい何? ー 建築家が考える余計なもの」

山本 純子 氏

Principal, iVY Design Associates
Harvard Graduate School of Design


みなさんは建築家というと、日々どんな仕事をしていると想像しますか?「建築をやっている」と聞いても普段どんな仕事をしているのかなかなか想像つかないのではないかと思います。
それではいったい建築デザインとはなんでしょうか?デザインはアートとどこが違うのでしょうか?掘り下げていくと、その根底にあるデザインとは何かという概念の疑問にたどり着きます。アートは表現、デザインは問題解決、と言われたりしますが、わたしにとって建築のデザインとは、問題解決にとどまらない「余計なもの」、つまり感覚的なものを伴う行為や経験を創造することだと考えています。そういった感覚的なものを取り入れたデザインを通してどう社会に貢献していけるかということは常に自問していることでもあります。
建築家の仕事の範囲はどんどん多様化しており、もう「建築」というフレームが当て嵌まらなくなっているのが現状です。例えば、建築とアートの間、建築と不動産の間、建築とテクノロジーの間、建築と教育の間、建築と地域活性化の間、わたしはそういう間に身を置きながらデザインの仕事を行なっています。今回は建築という仕事をなるべくわかりやすく紹介したうえで、建築プロジェクトと軸をずらした「間(あいだ)プロジェクト」の例をいくつかお話ししたいと思います。建築家からみたデザインの可能性をみなさんに共有できたら幸いです。

第一講演
「美味しさをデザインする - 飲料のブランド開発・香味設計 -」

朝見 陽次 氏

MIT Sloan School of Management
サントリーホールディングス


皆さんの日々の生活に欠かせない飲料。スーパーやコンビニで購入する時、原材料や栄養成分をチェックする方もいらっしゃると思います。これらの原材料・成分が私たちの健康に対してどのような影響があるかご存知の方は多いと思いますが、これらが美味しさに対してどのように作用するか考えたことはありますか?砂糖は甘い、クエン酸は酸っぱい、塩化ナトリウムはしょっぱい、カフェインは苦いとそれぞれ単品で感じられますが、これらをどう組み合わせると皆さんが感じる「美味しい」ができるのでしょう?他にどのような要素が「美味しい」に関与するのでしょう?
本講演では、一般的な清涼飲料のブランド開発・香味設計の流れ、シュガーフリー飲料の香味設計、日本と海外における嗜好・商品設計の違いといったトピックを通じて、美味しさのデザインについてご紹介したいと思います。

第二講演

第179回 講演会

日時: 2020年1月18日(土) 16:20-18:45
会場: MIT E51-345
「再生医療のこれまでとこれから ~培地開発事業の経験から~」

松本 拓也 氏

Department of Medicine, Nephrology Division at Massachusetts General Hospital
Wyss Institute for Biologically Inspired Engineering
Regenerative Medicine & Cell Therapy Group, Ajinomoto Co. Inc.


再生医療は夢の治療技術です。「盲目の人が初めて美しい景色を見る」「歩けなかった人が親しい人に駆け寄る」―再生医療がもたらすこのような未来の可能性についてメディアでご覧になったことのある方も多いのではないでしょうか。
再生医療は動作不良に陥った細胞、組織を新しいものに置き換えるものです。そのため、移植する細胞をどのように調達してくるかが産業化への大きな問題でした。2012年にノーベル賞を受賞した山中先生がiPS細胞を開発したことでその問題がクリアされたと考えられたことから世界的な流れとして再生医療への投資が行われてきました。その中で実用化に資する成果が少しずつ現れてきています。私は再生医療周辺事業に従事し、臨床用培地を開発することでその一部に貢献してきました。本発表では培地開発事業及びボストンにおける研究活動を通じて経験したことをご紹介したいと思います。

第一講演
「レアメタル その魅力と資源リスク ~なぜ『レア』なのか?~」

八木 良平 氏

マサチューセッツ工科大学 博士研究員


資源問題や外交問題と関連してよく話題になるレアメタル、実は和製英語であり、英語圏ではMinor Metalと呼ばれます。この、レアポケモン的な名前の印象から、レアメタルを「身近に存在しない、存在 (埋蔵) 量の少ない金属」と認識されている方も多いのではないでしょうか。しかし、スマートフォンやハイブリッド自動車、精密医療機器などのハイテク製品には様々なレアメタルが使用されており、レアメタルは意外なほど私たちの身の回りを囲んでいます。また、レアメタルの中には、皆さんが普段よく見かける銅よりも存在量が多い金属も含まれており、資源の存在量だけでレアメタルと分類される訳ではありません。
本講演では、なぜレアメタルの供給量が制限され『レア』となってしまうのか、そのボトルネックを解説するとともに、最新のレアメタルの製造・リサイクル技術やレアメタル生産に伴う環境破壊問題、さらに、レアメタル資源を全量輸入する日本が今後世界で勝ち抜くための戦略についても解説します。

第二講演