ボストン日本人研究者交流会 (BJRF)

ボストン在住日本語話者による、知的交流コミュニティーです。

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2026

第230回 講演会

日時: 2025年2月14日(土) 16:30-18:30
会場: MIT E25-111
「日米大学におけるアントレプレナーシップ教育の比較」

村田 喜重 氏

Associate, Program on US-Japan Relations, Weatherhead Center for International Affairs, Harvard University


近年、社会や教育の分野で話題に上ることが多くなっているアントレプレナーシップですが、日本の大学でその教育を受けている学生は全体の約1%にとどまっています。また、日本の起業活動率は5.3%と、国際的に見ても先進国の中で最低ランクの水準にあります。こうした数字は、起業が一部の特別な人のものと捉えられ、大学教育の中で十分に扱われてこなかった現状を示しています。本講演では、日米の大学で実際に行われているアントレプレナーシップ教育の取り組みを紹介し、学生にとってどのような学びや価値が生まれているのかを分かりやすく解説します。日米比較を通じて、日本の大学が今後どのような方向に進むことで、学生や社会にとってプラスとなる教育を実現できるのかを考えます。

第一講演
「国際競争?国際協調?惑星探査計画の一生と一人の若手研究者」

鈴木 雄大 氏

Boston University, JAXA宇宙科学研究所


太陽系の歴史を理解するためには、各天体へ探査機を送り込み直接観測を行う「惑星探査」が不可欠です。しかし、惑星探査は探査機を「作って飛ばす」だけの取り組みではありません。構想段階から観測装置の設計・開発・試験、探査機運用、データ解析に至るまで10年以上を要する長期的な営みであり、多大な時間・人員・資金を要します。そのため、探査機が目的の天体に到達する前から、過去探査機のデータ再解析や知見の整理を通じた観測計画の最適化、観測開始後の迅速な成果創出に向けた解析手法の確立など、事前準備が重要となります。本講演では、国際水星探査計画BepiColomboを中心に、惑星探査計画がどのように立ち上がり、成熟し、次世代へと引き継がれていくのかを、一人の若手研究者の視点から紹介します。そして、国際競争と国際協調が複雑に共存する惑星探査の実像と、研究者個人が国際的な研究ネットワークの中で果たす役割について考えます。

第二講演

第229回 講演会

日時: 2025年1月17日(土) 16:30-18:30
会場: MIT E25-111
「二刀流の人工分子が可能にする生体分子の動態制御」

森 圭太 氏

Postdoctoral Fellow, Department of Chemistry, Massachusetts Institute of Technology, 東京農工大学大学院工学研究院 特任助教(JSPS-CPD)


近年のスポーツ界では、一人二役をこなす「二刀流」のスーパースターが大人気です。その一方で、化学の世界の主役は分子ひとつひとつ。実は、分子の設計を工夫することで、様々な方法で「二刀流」をこなす分子を創り出すことができるんです。ローマ神話のヤヌスのように「二つの顔を持つ」分子や、有害物質と結合して「毒を薬に変える」分子、二本の腕を使って「異なるパーツを効率よく繋ぐ」分子などなど。スポーツでは凡人の筆者が、化学者として分子に託した夢の一部をご紹介します。

第一講演
「日米スーパーコンピュータ開発の現場と、科学を支えるエンジニアの流儀」

伊藤 泰善 氏

Hult International Business School


科学の発展は、実験・理論・計算・データを中心とする多様なアプローチへと広がり、今や「第4の科学」が重要な柱となっています。その中核を担う計算科学は研究の可能性を飛躍的に拡張してきましたが、裏側でそれを支えるエンジニアの存在は意外と知られていません。私はこれまで日米のスーパーコンピュータ企業にて、エンジニアとして研究者を計算科学の側面から支えてきました。本発表では、この“科学の黒衣”ともいえるエンジニアに光を当て、日米のスパコン開発の現場で見えてきた実像を紹介します。世界最速級スパコンの開発・運用の舞台裏や、日米それぞれの開発文化・技術革新の歴史を取り上げながら、エンジニアがどのように科学研究と並走してきたのかをお話しします。計算科学が切り拓く未来を見据え、エンジニアと研究者の「共創」がいかに科学を前進させるか。本講演が、その新たな一歩となれば幸いです。

第二講演